月次血液学検査データ
2014年4月度
この生化学検査データは、目標値に適合しない項目のみ表示しています。
4月8日(火)に行った透析時のもです。透析時間は、8:30~12:30(4時間)
検査項目 | 透析前目標値 | 3月度data | 4月度data | 対目標値比 |
赤血球数(RBC) | 330~390×104/μL | 228 | 270 | かなりの低値 |
血色素量(Hb) | 10.0~11.og/dL | 7.5 | 9.0 | 近似値 ? |
ヘマトグリッと(Ht) | 30.0~33.0% | 23.4 | 28.8 | かなりの低値 |
※赤血球数(RBC)
赤血球は、細胞内に含まれるヘモグロビンによって肺で受け取った酸素を体内に供給し、体内で発生した炭酸ガスを肺で放出するガス交換を行っています。貧血をみるとき検査します。この数値が低いと貧血が疑われます。骨髄による造血機能を反映します。
透析患者の目標値は、透析前数値で「330~390」です。
※血色素量(Hb)
血色素量は、赤血球内に含まれる血色素(ヘモグロビン)の量のことを言います。この数値が低いと貧血が疑われます。 透析患者の目標値は、透析前数値で「10.0~11.0」です。動脈硬化性病変が少なく活動性の高い比較的若年透析患者の目標値は、透析前数値で「11.0~12.0」です。
尚、血色素量(Hb)とヘマトクリット(Ht)との関係は、Hb1g/dlが概ねHt3%です。
例:低姿勢又は中腰の状態から立ち上がるとき眩暈が生じます。
※ヘマトグリッと(Ht) ヘマトクリットは、全血液中の赤血球の占める容積比率のことです。貧血があるかないかチェックする数値です。 健康な腎臓では、エリスロポエチンという造血ホルモンが作られますが、腎不全になるとこの造血ホルモンが減り、貧血になります。 他に貧血をチェックする数値としてヘモグロビン(Hb)、赤血球(RBC)等がありますが、このヘマトクリットが一番良く使われます。 透析患者の目標値は、透析前数値で「30.0~33.0」です。動脈硬化性病変が少なく活動性の高い比較的若年透析患者の目標値は、透析前数値で「33.0~36.0」です。
ただし、ヘマトクリットが上がりすぎると(40を大きく超えて45とか50とか)、血液の流れが悪くなり、血液の粘稠度が増していわゆる「ドロドロ血液」になります。また、ヘマトクリットが高くなると、透析効率、つまり透析での毒素の除去が悪くなります。即ち、同じ時間透析でダイアライザーも同じ、血流が同じでも、ヘマトが高い人は毒素の除去が悪くなります。さらに、高血圧が強くなったり、カリウムが高くなったり、またシャントが閉塞したりすることがありますので、注意が必要です。
尚、ヘマトクリット値は、採血から測定までの間に様々な要因で変動することから、欧米のガイドラインではヘモグロビン(Hb)値で表現すべきことが強調されています。ヘマトクリット値が以下の通り採血条件によって大きく異なることを認識しておく必要があります。
<採血日>
わが国では通常週はじめの透析開始前の採血が大部分ですが、欧米では週中日(月水金では水曜)のデータが用いられています。しかし、一般に週はじめの体重増加量は中日より大であり、希釈により過小評価されています。
因みに、某施設では週中日のヘマトクリット値は、週はじめに比べ平均0.57ポイント高値であったことが報告されています。
<体位>
ヘマトクリット値は採血時の体位によっても変動します。即ち、透析前の座位に比べ臥位後10分のヘマトクリット値は平均2ポイントも低下し、また臥位後も30分以上ヘマトクリット値が低下し続けることも知られています。
これは、臥床すると循環血液量が増加し、血液が希釈されるためと考えられています。
<透析前後>
除水により血液が濃縮されるため、透析後にはヘマトクリット値は一般に上昇します。(除水の少ない場合は体位の影響が勝って低下するときもあります。)即ち、ヘマトクリット値の透析前値と上昇%は相関し、除水率とも相関します。
ヘマトクリット値に関する議論はすべて透析前値で論じられていますが、本来ドライウエイト(透析後)でのヘマトクリット値を論じるべきとも考えられ、除水量の多い患者では透析後値も測定すべきです。
(引用;二人会)
※罹り付けのクリニックでは、透析後の血液検査データ測定は、3ヶ月に1度のため毎月の確認は不可能。